2011年4月14日木曜日

子どもを預かる責任

M嬢と初めて会ったのは、もう10年以上前、JPモルガンの内定者会でした。

フィールド・ホッケー選手という快活な爽やかさ、
マリンスタイルも上手に着こなせる抜群のファッション・センス。
しかも、完璧なバイリンガルで、とてもロジカル。
いつも輝くような笑顔を湛えている彼女に、
同期入社組の誰もが、魅了されました。

こんなに聡明で素敵な女性が、世の中にはいるのだと、
同性の私ですら、めまいがするようであったのを、昨日のことのように思い出します。

その後、彼女は幼児教育、私は医療経済研究と、まったく違う道を歩みました。
それでも、今でも一緒に食事をしたり、彼女が私の九州の実家に遊びに来てくれたりと、
家族ぐるみで、お付き合いを続けさせて頂いています。

Mは、モンテッソーリ教育法を学んだりした後、
現在、大手幼児英会話学校の先生として活躍しています。

東日本大震災が発生したとき、彼女は新小岩の教室で、生徒5人にレッスン中でした。

廊下で待機していた保護者がすごい形相で教室に入ってきたそうです。
余震が続く中、Mはまず、パニック一歩手前の保護者と生徒を、地上に誘導しました。
そして、一刻も早く帰宅したい気持ちを抑え、
最後まで教室に残り、お客様対応を手伝い、後片付けを行ったそうです。

しかし当日、JRが終日運転を取りやめ帰宅困難となりました。
残ったスタッフ6名と中学校で一夜を過ごすことに。
毛布を提供してもらったそうですが、大変寒く心細かったとのこと。
翌日のお昼前に帰宅したと聞いて、とても胸が痛みました。

教室はしばらく休講だったものの、翌々週には授業が再開したそうです。
Mから、「子供たちの笑顔に癒されます」とのメールを貰いました。

私のできることは何かと考えたときに、
  いつものように英語レッスンをすることだと思います」
「この地震を通して、改めてレッスン中は生徒さんの命を預かっている責任を感じ、
  また、英語教室に来ると楽しいという雰囲気作りが私の役割だなと感じました」

日々のニュースで敏感になっている子供たちが、
  英語レッスン中は不安も心配も吹き飛んで楽しめるレッスンをするように心がけようと、
  気持ちを新たにしました」

彼女のような、頼もしい先生に、守り、教えてもらう生徒さんたちは、幸せだなぁ。
彼女の思いを、生徒の親御さんたちも、理解して頂けたら、と願います。

M、あなたには、プロフェッショナルとは、大人の責任とは何か、いつも教えて頂いています。
本当にありがとう。

東京に戻ったら、また以前のようにお付き合いくださいね。

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