2011年3月8日火曜日

(図らずながら)胎教事始め

今日は指導教官であるKathy Swartz教授に向けて、
最初の研究経過報告を行いました。
本日のお題は2つ。

①韓国の介護保険制度の設立経緯と概要
②日本における高齢者住宅政策の概要

2点とも、教授が強い興味を持っていたのですが、
英語の文献が極めて限られており、調査支援要請を頂いていたのでした。

先週調査し、週末にざっくりとパワーポイントにまとめていたものを、説明しました。

①韓国の介護保険制度
韓国は介護保険制度を2008年に導入しています。
日本が2000年に導入した制度を参考にしている点が多いため、
大枠は似ているのですが、細かい点で異なります。

a. 介護保険料の支払は20歳以上と、日本よりも負担者層が幅広い
b. 介護保険者が国レベルの保険公団であり、市町村レベルで別れている日本とは異なる
c. 現金給付が、対象者は限定的ではあるが、導入されている

日本がつまずきかけている点から、韓国はちゃんと学んでいるのですね。
台湾、シンガポールについて、今週は調査することになりました。

②高齢者住宅政策

これまでの高優賃、高円賃、バリアフリー化などの政策を整理した後、
住み替えの促進など、資本ストック活用の観点からみた論点の議論。

高齢者だけでなく、多くのステークホルダーにとって、資産の流動化が必要、という結論に。
今週、もう少し議論を深めていくことになりました。

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ところで、今朝、ロングウッドにあるHSPH本舎に登校すると、なんだか様子がおかしい。
月曜日なのに、学生の顔色が悪い。
なんだか殺気立っています。
実は、今週は春休み直前で、中間試験やレポート締切の集中期間。
疲労で体調を崩したのか、咳やくしゃみをする人が増えています。

が、こちらは薬の飲めない妊婦と来ました。
風邪やインフルエンザでもうつされたら大変です。
手洗い、うがい以外には、あとは物理的に自分を隔離するしか、予防手段はありません。

どこであれば安全かつ快適に避難できるか。
キャンパスを見渡すと、徒歩10分ほどの場所に、ボストン美術館があるではありませんか。

美術館のカフェで温かい飲み物を頂きながら、本を読み、論文を書くことにしました。
疲れたら、好きな絵を見に行けます。
館内でクラシックやジャズの生演奏もあり、
実に恵まれた研究&胎教環境です。
しかも、$75払って年会員になると、
1年間入館が無料、かつ館内の飲食が15%割引になります。
学生の入館料は1回$18であることを考えると格安です。

ケンブリッジのオフィスで研究するか、
寒い日や体調がすぐれない日は、美術館に籠るか。
ボストンは、プレママ研究者にやさしい街なのでした。

2 件のコメント:

  1. まぁ、美術館で研究とはステキですね。
    ゴッホ研究者のハシクレとしては、うらやましい限りです!
    ボストン滞在記、いつも楽しみながら読んでいます。引き続きがんばってください!

    Ayako

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  2. どうもありがとうございます。

    ゴッホを研究されているのですね。
    ボストン美術館に所蔵されている、
    「郵便配達夫ジョセフ・ルーランの肖像」は、
    筆遣いの活き活きしているさま、絵の具のあでやかさに、嘆息してしまいました。

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