2011年3月4日金曜日

若手医療政策学者に会ってみる。

贅沢なことに、大学内にオフィスを頂きました。
ハーバード・ヤードの近くにあるフェアバンク・センターの最上階です。
指導教官であるKathy Swartz教授と同じ部屋の一角です。
午後になると温かい早春が入るこのオフィスで、研究に励みます。

Kathyの紹介で、ポスドクの研究者3人に会うことができました。
午後は、そのうちの一人、John Graves氏によるセミナーに同席させて頂きました。
今夏から、医療政策研究センターの創立メンバーとして、
バンダービルト大学の赴任することが決まったそうです。

セミナーのテーマは、「患者保護/支払可能医療法における補助金の最適な設計について」。

患者保護/支払可能医療法(Patient Protection and Affordable Care Act, PPACA)は、
昨年3月、米国で段階的な国民皆保険化を目指すために制定された法律です。

この法律では、民間医療保険の存続を認めつつ、
低所得者が低額保険に手が届くようにするため、
所得水準・家族人数に応じて、連邦政府が補助金の支給をするとしています。

セミナーでは、この法律の下で起きると想起される、
モラルハザードの問題、実際の事務手続き上の困難について論じ、
その解決策について議論されました。

医療政策について論じる際、わが国ではマクロの視点で論じがちですが、
ミクロの主体の視点に立った議論も不可欠だと痛感させられたセミナーでした。

と言いつつ、学部でもビジネススクールでも、
ミクロをしっかり勉強していなかったことを、今更ながら反省…

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